憂鬱なる王子に愛を捧ぐ

「おかしいね、ほんとう。これから、の隣に、真知がいるのを想像するだけで、とても楽しみなんだ」

ああ、もう。
こみ上げる涙は止まらない。わんわんと声を上げて泣くあたしを、尚が優しく撫でてくれる。

これから。尚の、となり。
そこにあたしは、いてもいいの。尚は、それを望んでくれている。

「仕方ないなあ、なんで泣くの」

「わからないよ、そんなの……」

笑って言う尚に、ぶっきらぼうに答えた。
ずっと、どこかで不安だった。初めて手を伸ばして、初めてその手を握ってくれた人。これから、隣にいていい?そんな簡単なことさえ聞くことが出来なかった。

「でも、だってあたし……、今、凄く嬉しい」

嬉しくて、幸せで、これからの未来には希望が溢れている。
あたしもだよ、尚。これから歩んでいく未来図に、尚がいてくれることでこんなにも楽しい。胸があたたかい。

「俺は、真知が好き?」

「なんでそこ、疑問系にするかなあ」

小さく首を傾げながら言う尚に、ごしごしと涙を拭ったあたしはすかさず文句を言った。だよね、と尚は笑う。

「うん、大好き」

「……あのさあ、本当に、さらりとそういうこと言われると、あたし早死にしちゃうからね。心臓ドキドキしすぎて」

「だって、真知は形を欲しがるから」