憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


「痛そー……」

ぺちっと、病院で貰った消毒液のしみたガーゼを頬に押しつけると、尚は小さく眉をしかめた。やめてよ、と腕を払おうとするけど構わず絆創膏をはる。

「ちゃんとしなきゃ、跡残るよ?」

「……別にいいよ、そんなの。女じゃないんだから」

「え~、女の子顔負けの綺麗な肌してるのに、勿体ない」

言えば、尚は一瞬目を見開いたあとに、ふいっと顔を背けた。ちらりと見えた頬がほんのり赤い。

「もしかして、照れてる?」

ぱっと振り返った尚が、むにっとあたしの頬を両手で引っ張る。

「誰が、照れてるって」

「いひゃいいひゃい、ごめんなひゃい!」

「わかればいいけど」

偉そうに言って、ようやく手が離される。熱を持った頬をさすりながら尚を見れば、腕を組みながらツンとそっぽを向いた。