憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


汗だくになりながら、ようやくコンビニへと辿りつく。


「コンビニ……遠いんですけど。ていうか、……大丈夫か?この店」

尚の言うとおり、一本道を真っ直ぐに歩いた場所に唐突に現れたその店は照明もついておらず、こんな真昼間だというのに随分と薄暗い。

おそるおそる扉を押せば、そこには初老の男性店員が咥え煙草で新聞を広げていた。(なんて商売っ気のない!)
カゴを手に取り店内へと踏み入れる。おそるおそる辺りを窺えば、あまり掃除されている様子もなく商品棚には薄っすらと埃が被っていた。

とりあえず、尚のご要望であるコーラと麦茶、おにぎりやサンドウィッチなんかを適当に手に取りレジへと差し出した。

「あのぅ、すみません」

声を掛けても、無言のままだ。
新聞を降ろすこともなく、紫煙がゆらゆらと立ち昇っている。

「あの!すみませんっ!!」

「ぎゃあっ!な、なんだ!!」

「……なんだって、お会計お願いしたいんですけど」

口から落としそうになった煙草を慌てて受け止めた店員は、傍にある既に吸殻でいっぱいの灰皿に無理矢理押し付けた。