憂鬱なる王子に愛を捧ぐ



―い、言ってしまった!

断られるのなんてわかっているのに、あたしの馬鹿。傷つくことがわかっているのに、こんなこと言うなんて、逃げ癖のついた今までのあたしなら考えられない。このどきどきの半分は、そんな自分への驚きも混じっている気がする。

尚は、その涼しげな瞳をふっと細めながら口角をあげる。

「なにそれ、デートの誘い?」

思いも寄らなかった尚の言葉に、あたしの顔に一気に血が昇る。

「は、はあ!?べ、べべ別に!そんなんじゃない!ただ、こんな部屋でひとり引き篭もってるあんたを外に連れ出そうかなァなんて……」

て、何を言ってんだ、あたしは。これじゃあ何も進歩していないじゃないか。
たった一度の深呼吸でこの爆発しそうな心臓を宥めることなんて出来なそうだけど、あたしは気休めにゆっくりと息をする。