憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


***


「ひーさーしー」

戦の後みたいに、祭りの準備で使われた材料がごちゃごちゃと置かれたホーム。
折角外は賑わっているというのに、そんな中でうちわを扇いでいるのは尚だ。

「千秋は?」

「さっき見回り組みの奴らと一緒に出かけていった。やっとうるさいのがいなくなったところだよ」

見回り役は、ああ。そうだ。光太郎だ。
あたし達同期の中で一番のムードメーカー、もといトラブルメーカー。

やっぱりといったらなんだけど、尚は光太郎がとても苦手で、こないだも買出しを代わってやったのを思い出す。
悪気はないものの所謂イマドキ大学生な光太郎は、どうやら尚と仲良くなって、彼をを合コンの客寄せパンダにしたいようなのだ。