憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


「あたし達、次の仕事は打上げ花火の会場整備だから」

「ああ、今年その役は真知達だったっけね。大変だあ」

ルミが憐れみの篭った瞳であたしを見た。

「それじゃあ、まだ時間あるし、屋台でも回ってきなよ。あんたには勿体無さすぎる彼氏もいることなんだしさ」

さりげなく失礼で陽気な声に押されて、あたしはその場を離れた。ふと後ろを振り返れば、やっぱりあたしに接するのと同じ顔でルミと話す純子がいた。近くにいるのに、全然純子を感じることが出来ない。

もう関わらないで欲しいと思う気持ちと切なさが入混じる感情に、なんだかよくわからなくなった。