憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


―…。

恐る恐る隣を見れば、縋るような目で千秋があたしを見る。

「真知ー!どうしよう、ヒサを怒らせた!!」

「ああ、もう、うるさい!耳元で大きな声上げないでよ!!」

しょんぼりと落ち込む千秋に溜息を漏らす。
ゆっくりと歩きながら、「馬鹿だねぇ、千秋は」とうっかり本音を呟く。

「うっせーよ」

「尚が根掘り葉掘り聞かれんの、一番嫌がるっていい加減わかりなよ」

「そんなの知ってるさ」

「焦りすぎなんだよ」

千秋は、ぐっと押し黙り、足元にあった小石をつま先でこつんと蹴った。

「真知は、よく我慢してられるな」

「何が?」

「ヒサのこと、もっと知りたいとか思わねえの?」