憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


「……ヒサ、飲んで帰らねえの?」

「何言ってるんだ。テスト週間明けるまで、禁酒って言っただろ。もう忘れた?」

「で、でも」

尚を不機嫌にさせたのは、明らかに自分だと自負する千秋は、必死に引きとめようとしている。

「くだらないことばかり気にしてないで、今日の分の仕事やっておきなよね」

尚は、ただただ戸惑う千秋に苦笑して、肩をポンと叩いてタクシーへと乗り込んだ。