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更夜先輩から、どっさりと仕事を与えられたその日から、あたしの勉強漬けの日々は幕を開けた。
部屋には、千秋が筆で書いた"禁酒"の二文字。アルコールを摂取して頭を朦朧とさせてる余裕なんてお前にはないという尚の命令だ。
正直かなり辛いけど、今はとにかく足手まといになるわけにはいかない。
「馬鹿!何度言ったら分かるんだよ!!」
家庭教師に名乗りを上げた千秋は、毎日夕方頃にあたしの部屋に来ては丸めたノートで頭を叩いてくる。
―……痛い。
「いちいち叩かないでよ!凹んだらどう責任とってくれるつもり!?」
「何言ってんだよ!鉄棒から落ちてもタンコブひとつ出来なかったダイヤモンド頭のくせに。いいから、もう一度ここ!クーロンの法則なんて高校でやっただろ!さっさとガウスの定理で書き直せ!!」

