「お久し振りです」
「あァ、尚。最近ずっと入れ違いばかりだったよな。けど、裏で良く動いてくれていると評判だけは絶えず入って来ているよ。流石だな」
「そんな、とんでもないです」
尚が、遠慮がちにニコリと微笑む。
それが演技だと分かっていても、あたしと千秋はうっかり見惚れてしまう。ふと隣を見れば、紗雪先輩も同じようにウットリとした表情で見つめていた。
「千秋、今年の誠夏祭の運営方針についてふたりには伝えたか?」
「調度いま話していたところです」
「そうか。今年は去年よりも忙しくなると思うが、三人とも宜しく頼むよ」
更夜先輩は、あたし達に分厚い資料を二束ずつ渡しながら言った。
全体進行用ともう一束。そこには、「ヒサシチアキマチ用」と何故だかカタカナで表紙が書かれている。読み辛いったらない。
ぱらぱらと中身を確認し、恐る恐る更夜先輩を見る。
「もしかして、……この量を三人でやれと……?」
「そうなんだ。どうしても人繰りが厳しくてね。少し大変だとは思ったから、純子も入れようとしたんだけどな」

