憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


「ショボくなんてねえよ。ヒサは去年居なかったから知らないだろうけど、花火だって地元の花火師の人に毎年ちゃんと頼んで打上げて貰うんだぜ」

「ふぅん。まあ、確かに一般客交えた方が採算はとれるんだろうけどね。その分運営管理は大変になるよ」

「……ああ、あたし、テスト勉強しなきゃならないのに…」

思わず溜息をつくのに、二人は顔を見合わせて小さく肩を竦めた。

「QSメンバーの中で、真知の成績だけは異端だからなァ」

「うぅ……」

同情と馬鹿にした感の混じった千秋の言葉に、腹立たしく思いつつも言い返すことは出来ない。まさに千秋の言うとおりなのだ。このQuality Seasonというイベント運営組織には、勉学との両立が出来、且つ双方において高い結果を出せる人間しかいないのだ。

尚は言うまでもなく、千秋だってこの学園で高成績者として毎年奨励金を受け取っていたりするのだから。

―コンコン。
扉が二度ノックされ、部屋に入ってきたのは紗雪先輩と更夜先輩だった。