憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


冷や汗が頬を落ちる。
おそるおそる尚を見れば、黒さの欠片もない様子で、にこりと笑う(う、眩しい!)
それには、ざわついていた野次馬達も息を呑んだ。

「ありがとう、真知。俺も、真知が好きだよ」

「……うん」

尚は、誰をも魅了する微笑みを浮かべたまま、純子に向かって言う。

「俺なんかが言うことじゃないけど、……もっと千秋の中身を見てあげてくれないかな。じゃなきゃ、千秋を君に任せられない」

外野には見えない角度で一瞬、尚は偽りの無い素の表情で純子を一瞥した。