憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


観客達に千秋の悪評を広めさせれば、きっともう、あたしや尚が何を言ったところで無駄なんだ。

ただでさえ、目立つ千秋と純子だから。

「……やっぱり、私じゃ無理だったね」

「無理って、何が」

「私じゃ、千秋君の一番になれない。千秋君は、じぶんの気持ちに気づいてないだけよ!本当は私なんかより、幼馴染の真知を好きなのよ!!」


えええええ!!??
唖然と口を開けるあたしを、尚がちらりと見下げる。

「らしいよ。良かったじゃん」

「良くないよ!そんなわけないでしょ!!」

どさくさに紛れて、なんだかおかしな方向に進んで行ってる。
周囲からは、"幼馴染って誰?" "ほら、QSの。千秋君と尚君に引っ付いてる"なんて、不本意な声が聞こえてくるし。