憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


尚にコーラを渡せば、「なに、コーラ?」とか凄い不服そうなんですけど。
だったら自分で取りに行けっての。

「尚、あたし……、あんたに報告しなきゃいけないことがある」

「知ってる。それを待ってた」

ストローで氷を突きながら、言う。
あの授業の後、千秋と純子がイチャつくホームに勢いで飛び込んでしまったこと。そしてこれまた感情に任せて純子を否定し、そして。

「千秋に嫌われたんだろ?」

「うっ」

狙った様に尚が言う。それに驚いて目を丸くした。
なんで知ってるの、と聞けば、千秋に聞いたと返ってきた。さすが尚大好きの千秋だ。

既に相談済みですか。

「馬鹿でしょ」

「……はい。大馬鹿者です」

「なにしてんの」

項垂れたあたしに、尚は溜息を吐きながら注文ボタンを押す。夜も頑張る店員さんが、疲れ一つ見せない笑顔で注文を取りに来た。

「唐揚げ一つ」

「はい!かしこまりました!」

尚様、もしかしてそれもあたしが奢るんでしょうか?