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「……紗雪先輩、何か知っていたのかな」
尚がさしている傘に入れてもらいながら、あたしはぽつりと呟いた。それを聞いた尚は、小さく眉を寄せる。
「それより先に、言うことはないわけ」
「へ?」
「わざわざ呼び出されて、いい迷惑」
「わわ、ごめん、ありがとう」
聞けば、どうやら紗雪先輩はいつの間にか尚にメールを送っていたらしい。返信が来るまでしつこいくらいに。
「あの人は、侮れない」
「え」
「真知。金ある?」
「少しだけなら」
「よかった。珈琲奢って」
「うん……。て、はァ!?」
声を上げると、尚はぱっと傘をあたしからずらした。
「ちょ、濡れる濡れる!」
「迎えにきてやっただろ」
「す……すみませんすみません……!奢らせて頂きます」
それでいいんだよ、と尚はあたしへと傘を戻す。何をするにもやっぱり偉そうなんだからなぁ。

