【短】そらとタイヨウ





すると、そらは……



「……タイヨウが笑った!!」



そう言って、俺の大好きなあの笑顔を、
顔いっぱいに開かせた。



「…そらの方が笑ってんだろ」

「タイヨウが笑えばそらも笑う、でしょ?」



ふふっと笑う彼女がとても可愛くて、自分が追い求めていた愛しい時間が、そこにはあった。



自然と空を見上げる。



「………綺麗」


青くて、大きくて、温かくて、優しくて。

俺の大好きな空が、あった。


………単純だな、俺。


そらに会えた途端、こんなにガラリと気持ちが変わるなんて。


横を見ると、彼女もまた嬉しそうに愛しそうに、空を見上げていた。


「素敵だね」

「……ああ」


そっと、その横顔を見つめる。



「俺、やっぱ"ソラ"好きだわ。

生き甲斐だよ………一生の」


「…………え?」



無意識に溢れた言葉。


この快晴も、この笑顔も、見守り続けたいと思った。



「それは……どういう意味で?」

「ん?」



これでもかというくらい赤くなったその顔を、まるで太陽から隠すように、

俺はそっと唇を重ねた。









「………2つの意味で」





頭上では、
仲良く寄り添う空と太陽が、笑顔で2人を見下ろしていた。



fin.