「先輩…………」
「ん…?」
「………。」
「…あ、碧斗?どうしたの?」
「…やっぱ、碧斗くんで、いい。」
「え……?」
「碧斗って言われると…照れる………」
そっぽを向いた碧斗…くんが可愛くて
あたしはついついニヤけてしまった。
「いいよ…でもお願いがある……、」
「ん?」
「………ど…しえて」
「ごめん、もっかい言って?」
あたしの方へ顔を近付けて来る
確信犯なのか無自覚なのか分からない
碧斗くんの顔を見るのが恥ずかしくて
あたしは俯きがちに言った。
「…め、あど……アドレス…教えて…」
「ケー番はいいの…?」
「欲張りは、いけないから……、」
「…そんな可愛い顔で言われたら俺、断れないんだけど。」
「え………?」
「携帯、出して。」
すかさず携帯を出して赤外線受信する。
「ん…、行った?」
ピピッと音が鳴って田崎碧斗と
表示が出て思わず頬が緩む。
「なんかあったら電話しな?」
優しく微笑む碧斗くんがかっこよくて
あたしは心臓がキューッと
締め付けられるのを自分でも実感した。
