年下彼氏の取扱説明書






―4月―

俺は麻雪さんと同じ学校に入学した。
ちゃっかり泉もここを受けた。
そしてあいつは……見事に落ちた。



……っつーのは冗談で受かった。



この学校に入って知ったこと、
それは麻雪さんの頭の悪さだった。


「え……ごめん、わかんないや〜」

アハハと笑う麻雪さん。
俺の顔を覚えて居ないらしい。


「誰かの友達?」

呑気に笑う麻雪さんに半分呆れて
でも好きで好きで堪らなかった俺は



「あー人違いでしたーすいません、」

そう言ってダッシュで帰った。



馬鹿だ。俺は確実に馬鹿だ。
自分の趣味の悪さに呆れ返ってしまう。
一目惚れの癖に諦めつかない。




「じゃ、アタックすれば?」

泉に相談したらこの軽い返答。


「どうやって?」


「麻雪さん、桜通りのコンビニでバイトしてるらしいし。」

それだけ言って去って行く泉。



行くか行かないか迷った挙げ句、
入学テストやら案内やらが終わって
ある程度、俺の名前や顔が
周りに知れるまで待つ事にした。


そして入学して一ヶ月が過ぎた今、
やっと自分の心に決心がついた。


麻雪さんの…先輩のバイト先に行こう、