「二人ともお疲れ!ありがとう!」
目の前には麻雪さんの笑顔。
一気に心拍数が上がるのが分かった。
「いいっすよ、暇だし……」
どこか照れ臭くてそっぽを向いて
返事をする俺をニヤニヤ見てる
むかつく男、泉の背中を叩く。
「いって…!?」
「おい泉。調子乗んな、」
泉が俺をイジろうなんていい度胸だ。
「仲良しだねー」
麻雪さんは笑顔で俺らを見てた。
「あー、良くないっすよ?」
「めちゃくちゃ仲悪いっす」
慌てて否定する俺らをよそに
麻雪さんは呑気に笑っている。
「あ、打ち上げあるけど来る?」
麻雪さんの誘いにドキンとする。
「え…まじです…」「いや、いいっす」
俺の言葉を遮って話し出す泉。
「来年、コイツここ受けるらしいんで」
「そん時遊んでやって下さい」
なんの誘いだよと内心ツッコミながら
俺は軽くため息をしてから
「来年のお楽しみってことで、」
麻雪さんに笑顔で手を振った。
来年、もし俺がここを受かったら
麻雪さんに告白しよう。
