「え？ホントに？待ってる！」
そう言ってにこりと笑う麻雪さん。
それだけで俺の心の中はどこか
ポカポカした気持ちになった。
「それまで予約中ですから。」
「え？うん？」
理解してない先輩は首を傾げる。
「さ、麻雪さん働きましょー」
なんだか恥ずかしい気持ちになって
赤くなった顔を隠すために
俯きながら麻雪さんの手を引いて
働くように声をかけた。
「うん！ありがとう！」
麻雪さんはニコニコしながら
引かれた手をぶんぶん振っていた。
………狙ってるんですか？
まさか今どき流行りの小悪魔系女子
ってやつだったりしますか…？
半信半疑で麻雪さんを見るけど
そんな様子は無くてあくまでも素だ。
天然が一番厄介なんだよなー…
俺は頭をガシガシ掻きながら
麻雪さんのことをぼーっと見ていた。
「学ランくん？」
「あ、俺こっちなんで」
麻雪さんに声をかけられ我に返った俺は
慌てて自分の持ち場へ向かう。
