「……?」
何の疑問も持たずにちょっとだけ
口を開けたら、入って来る碧斗の舌。
「あ…お…んっ、」
まさかの頭を捕まれて
ガッチリホールドコースで、
あたしはただ、ちゅーについていくのに、
碧斗の背中を叩くのに必死だった。
「先輩…キス下手くそ。」
唇を離してから碧斗の第一声は
あたしにはショック過ぎるモノだった。
「碧斗…うまいの……?」
火照る顔を抑えながら碧斗を見た。
「俺は……上手いよ?」
舌をぺろっと出しながら
色っぽく笑う碧斗は年下の後輩
なんかじゃなくて、男の子だった。
「碧斗は元カノ居た……?」
「居ないよ。遊び相手なら居たけど、」
「あ、居た………」
碧斗の言葉に不安になって見たら
「麻雪先輩、」
そう言って優しくニコッと笑った。
「碧斗、ずる……」
「先輩もずるいって、」
そう言って優しくあたしを抱きしめた。
