「あ、おと……」
「あ?聞こえないんだけど。」
「あ!おとうさん(笑)」
「んー?麻雪ちゃーん?」
どす黒い笑みの碧斗くんが居たので
さすがにやばいと思って
「碧斗…(くん)…」
あたしはそう言った。
「今、心でくん付けたでしょ。」
「へ!?」
勝ち誇った笑みの碧斗くん。
「碧斗ってゆったもん!!」
「ふーん…くん付けたら覚悟しな?」
ニヤリと笑った碧斗は、
無邪気で、かっこよくって、
あたしはまたキュンとしてしまった。
「もうやだー…」
「は?」
「碧斗カッコいい。むかつくー」
あたしは碧斗の胸板を叩きながら
碧斗の顔を見上げた。
「先輩…上目遣いは校則違反。」
「え?」
胸板を叩いた仕返しは三度目のちゅー。
一回目よりも二回目よりも甘かった。
「先輩…口開けてよ…」
ニヤリと笑ってあたしを見る碧斗に
危険を感じたけれど、時すでに遅し。
