年下彼氏の取扱説明書






「先輩、肺活量少な過ぎ。」

そう言って色っぽい目をした碧斗くんは
あたしの首元に顔を埋めた。


「あ、碧斗くん…?」


「先輩バカじゃん。なんで俺?」

碧斗くんの戸惑ったような声。
あたしの心臓をドクドクさせていく。


「だって…好きなんだもん…」


「葉山さんより優しくねぇよ?」


「え…?」


「葉山さんよりカッコ良くねぇよ?」


「碧斗くん?」


「ガキだし、二重人格だし」


「………、」


「でも、好きなんだよね先輩が。」

あははと笑いながら言う碧斗くん。


「先輩には負けたよ、」

そう言って碧斗くんは顔を上げて
あたしの口をゆっくり塞いだ。


ちゅー、してるんだ…。

目を瞑って緩む口元を必死に我慢する。



「先輩、好き。」

そう言ってぎゅっと抱き寄せる
碧斗くんのぬくもりを感じて
なんだか泣きそうになった。



「碧斗くんん〜…」


「…碧斗だから。」


「え?」


「呼び方は碧斗以外認めない」

碧斗くんは俯きながらそう言った。