年下彼氏の取扱説明書






「もう、遅いのかな……?」


「ねえ、あたしは碧斗くん好きだよ…」


「先輩、それ俺にキチンと言ってよ。」

聞き慣れた声。低くてあったかい声。


「あおとくん……、」


「つーか先輩、浮気。」


「ふ、フラれた……」


「は!?」


「碧斗くんのことばっか考えてたらフラれちゃった…」


「ねえ、先輩、」


「悠斗って名前が碧斗って名前に似てるなとか考えたり、」


「先輩ってば。」


「碧斗くんと昼休み過ごしてたなーとか」


「…ねえ、」


「碧斗くんとはドキドキしたなとか」


「…先輩。」


「考えてたらフラれちゃ…んんっ…」

「……麻雪先輩。もう黙って。」
そう言ってあたしの言葉を
遮って碧斗くんがあたしの口を塞ぐ。


「んん゙っ〜…」

呼吸が苦しくて、鼻でしていいか
口でしていいかも分からなくて
碧斗くんの胸板をトントン叩いた。