「碧斗と毎日会ってたのも知ってた。」
「なんで…?」
「麻雪が好きだったから。」
「…………、」
「今日の麻雪を見てて俺じゃダメだって気が付いた。」
「もう、碧斗んとこ行って…?」
悠斗くんはあたしの荷物を渡して
いつもの笑顔でそう言った。
「ゆ、悠斗くん…ごめん……」
「優しい麻雪、だいすきだよ。」
頭をポンポンと撫でてあたしの
背中をトンと押した。
その衝動からあたしは走った。
「教室…居ない…っ、」
今日は木曜日。バド部は休み。
「部室…っ、」
一か八かであたしは向かう。
「碧斗くん…っ!!!」
バド部の部室を思い切り開けたら
そこには誰も居なかった。
