年下彼氏の取扱説明書






それから、ボーっと授業を受けて
放心状態のまま掃除をして
気付いたら放課後になっていた。



「まゆ帰ろー?」


「あ、今日はごめん!」


「葉山くん?」


「うん……」


「お幸せにーばいばいっ」


「ん、ばいばい」

やることも無いので携帯をいじって
悠斗くんを待っていた。




「……遅いなあ〜…」

足をぷらぷらさせてあたしは
机に顔を伏せて待っていた。



「麻雪ー…」


「あー悠斗くんー……」

顔だけ悠斗くんを見てへらっと笑った。



「麻雪、話があるんだ、」

いつもみたく笑顔の悠斗くん。


「なにー?」

体を起こして椅子にきちんと座って
悠斗くんの話を聞こうとするあたし。



「ごめん、碧斗が好きなの知ってた…」

その瞬間、あたしの好きな悠斗くんの
笑顔が辛そうな顔に変わった。