「麻雪居るー?」
授業が終わった後机にグテーっと
うつぶせになっていたら悠斗くんの
声が聞こえたのでむくりと体を起こした。
「ごめん、寝てた?」
「ん、いま起きた……。」
目を擦りながらお弁当を取り出して
ゆっくりと立ち上がった。
「どこで食べるの?」
「資料室、行こうか。」
悠斗くんはニコッと笑って
あたしの手を引いて資料室へ向かった。
「麻雪はさー…」
あたしは卵焼きを口に含んだまま
悠斗くんの話に耳を傾ける。
「優しいよね、」
「!?…ははひふはいほ?!」
「え?」
笑いながら悠斗くんが聞き返す。
「優しくないよ!?」
むしろ、優しいのは悠斗くん。
あたしは悠斗くんの優しさに甘えてるだけ
「麻雪は優しいからさ……」
悠斗くんはニコッと笑ったまま頭を撫でた
「俺、だいすきだよ…」
ぎゅっと抱きしめた悠斗くんの
様子がおかしくて、あたしは悠斗くんの
背中をポンポンと叩いて宥めた。
