「ごめんなさい、お金は無いよ…」
一応クギを刺したつもり。
「お金じゃないよ?先輩。」
田崎碧斗は笑っているのに
あたしは全然笑えない。
怖さと不安がジワジワ押し寄せる。
「俺、先輩大嫌いなんだよね。」
あまりにストレートな告白に
心臓がバクバクするのが分かる。
「う、ん………」
「…だから、今日から先輩、下僕ね。」
笑う田崎碧斗が怖くて、あたしは
声が出ずにひたすら頷いた。
「碧斗様とか呼んだら、許さねーから。」
声色が変わった碧斗くんを心底恐れながらあたしはひたすら頷いた。
(嫌われない様に、してきたのに…)
