「葉山くん………」
「なに?!」
顔がほんのり赤い葉山くんが
嬉しそうにあたしの方を見て来た。
「あたし……………、」
これからあたしが言うことは
絶対葉山くんを傷付けちゃうこと。
こんな優しい人をあたしは傷付けるの?
なんで葉山くんと付き合えないの?
葉山くんが好きなのに。なんで?
葉山くんでもいいじゃん………、
「今日、から…よろしく…、」
あたしは精一杯の作り笑いをして
精一杯の嘘を葉山くんについた。
「あぁ、よろしく!」
ニコッと笑った葉山くんに
ぎゅっと抱きしめられた瞬間、
無性に泣きたくなってきた。
あたしは、葉山くんが好きなんだよね?
