年下彼氏の取扱説明書






「一位は、白の2年生です!!」

テンション上がり気味のアナウンス。
白いハチマキを首に巻いて真剣に
走ってる憧れの、憧れの葉山くん。



「ゴール!!!」

そして、葉山くんはゆっくりと
スピードを緩めて、振り返った。


「葉山くん…?」


「借り物競争さ、お題、一括だった。」


「え…?」


「5人とも、同じだった。」



そう言ってあたしに紙を見せて来る
葉山くんから目が逸らせなかった。



「す、きな…ひと、?」

碧斗くんはだれ連れてきたのかな?
ふとゴールを見ると碧斗くんの姿。
隣には顔はよく見えないけれど
背が高い髪の長い女の子。


あれが、碧斗くんの好きな人。




「麻雪なんて呼んでごめん、」

再び葉山くんが話し出す。
大好きな葉山くんなのに頭に話が
入って来ない。なんで…?





「俺、武内が好きなんだ。付き合って」


葉山くんのその言葉であたしは
一気に現実へ引き戻されていく。


「え…?」

嬉しいはずなのに、笑えない冗談。