年下彼氏の取扱説明書






「次、俺だ……」

ふと碧斗くんが立ち上がって
ふらふらと本部へ向かっていく。


「あ…、」

言っちゃった。
いや、出番なのは分かってるけど
目も合わなかったし、なんか…
あたしが逸らしてたからだけど、
いつもみたいに無理矢理
あたしを向かせたりしなかった。

なんかなんかなんか、おかしかった。



「碧斗くん…なに出るのかな…」


「借り物競争じゃない?」

返事の主の方をすっと見たら
ニヤニヤと笑っている優奈。気持ちが
悪いとちょっとだけ思ってしまう。


「優奈…別にあたし、そんなんじゃ…」

否定するだけ、無駄だろうけど。


優奈はなにか言いた気にニヤニヤと
笑っていたけど、あたしは気持ち悪くて
若干引き気味に優奈を見つめた。



普通にしてれば、可愛いのに…