年下彼氏の取扱説明書






「俺が馬鹿なら先輩、お先真っ暗だよ」

いつもの碧斗くんの憎まれ口も
あたしは一つ一つが嬉しかった。


「あたしはいいんだよぉー。」

好きとかよく分からないけど
あたしは碧斗くんとのこの距離が
好きだしいつもみたいに碧斗くんと
喋れて、笑えて、甘えられる
この関係が一番いいって思える。


「先輩、体育祭終わったら部室来て。」

いつもと違う声色の碧斗くん。
そんなに重大な用事なのかな…?


「うん、わかったー」

あたしは生返事をした。
なぜかその時のあたしは碧斗くんを
ちゃんと見ることができなかった。

ちゃんと見たら何か分かって
しまう気がして、見れなかった。

碧斗くんを受け止めれないような
そんな気持ちがどこかにあった。
碧斗くんとは、今までと同じがいい
そう思っていたから………、