「碧斗くーん…!!!!!」
あたしは耐え切れなくなって
碧斗くんに思い切り抱き着いた。
「ちょ…、先輩?」
「ねえ!いいいい、一位だよ?!」
「え、なんで先輩泣いてんの?」
「目から汗出てきたの!!!」
「強いんだか、弱いんだか…」
そう言って碧斗くんは笑いながら
あたしの背中をトントン押して
あたしを落ち着かせてくれた。
「お疲れ。」
そう言ってハチマキを解いて
あたしの頭に腕を預けて来た。
「わ…!!!重いよ!!」
あたしは碧斗くんを見ながら
そんなに重くもないけれど
なんだか恥ずかしくてふて腐れた
振りをしてドキドキを悟られないように
意識しないように、頑張った。
「先輩は分かってないね」
碧斗くんはフッと笑ってそう言ったけど
あたしには何のことを言ってるのか
イマイチ理解が出来なかった。
