「んじゃ、先輩貰って行くんで。」
碧斗くんは相手に冷たい眼差しで
見たことないような冷たい笑みを
白組の男子に向けて、あたしを担いだ。
初めて見る碧斗くんに、あたしは
戸惑いを隠せなかったし、これから
怒られると言う覚悟を決めていた。
「先輩、ごめん。」
「え、?」
予想外の言葉に思わず声が漏れた。
「先輩、俺を探してたんでしょ?」
「先輩居なかったから先に受付してた。」
「怖かったっしょ。ごめん。」
あたしの背中をポンポンしながら
優しい声で何回も謝って来た。
「こわくなかったし…」
あったかい言葉に涙腺が緩んで
涙目に涙声になったのを悟られたく無くて
あたしは必死に強がった。
「先輩、怖いの怖いのとんでけー!」
碧斗くんはあたしを一旦下ろして
ギュッと抱きしめて頭をポンポンした。
「…、ありがと。」
あたしはちっちゃい声で呟いた。
