「武内が悠斗を好きなの、知ってた。」
「武内は顔に出やすいからな」
「悠斗も武内が好きだったんだぜ?」
「一目惚れだった、っつってたし」
「悠斗はまだ武内を諦めて無い。」
山本くんはちょっとずつ話てくれて
あたしは上手く相槌を打つことすら
ままならなくてコクコクと頭を
縦に振りながら話を聞いていた。
「悠斗のこと好きなんだろ…?」
山本くんの言葉を聞いてドキリとした。
「わ、かんない……」
好きだった?って聞かれたらあたしは
間違いなく頭を縦に振っていた。
だけど好き?って聞かれると
脳裏の隅に出てくる碧斗くんが
気になって縦に振れない。
「そうだよな〜………」
ハァとため息を吐き、山本くんは
あたしの頭をポンポン叩いた。
「あ、ごめんね……」
「武内は悪くねぇよ。戻ろ?」
山本くんはニカッと笑って
あたしの肩を掴んで歩き始めた。
