年下彼氏の取扱説明書






「とりあえず、今日は頑張ろー!」

あたしは拳を作って上へ上げて
改めて気合いを入れ直した。


そして椅子を持ってグラウンドへ向かった。




「わ!!あっつー…」

ある程度の暑さは予想していたけど
やっぱり暑くて、あたしは手を
パタパタさせて、そして腕を捲った。



「あれー?上、脱がないの?」

ニヤニヤした優奈が聞いてくる。


「だって…脱ぎづらいし……、」

あたしは思わず自分にも優奈にも
言い訳するような発言をしてしまった。



それから開催式をして、競技の部が
始まって、初っ端から出番の優奈を
見送った後、自分の席へ行って
お茶を飲んでボーっとしていた。


「武内ー!」

名前を呼ばれて振り向いたら
クラスの男子の一人が立っていた。