「あ、りがとう………」
あたしは恥ずかしくて俯きながら
ちっちゃい声でお礼を言った。
「てか、用事は??」
碧斗くんは思い出した様に
仏頂面に戻りながら淡々と話す。
「先輩さ、ルームメイト居るよね?」
「え、うん………」
美羽ちゃんの知り合い…?
幼なじみとか彼女なのかな…?
「あいつには関わんないで。」
「やだ。」
気付いたら口が勝手に動いてた。
「美羽ちゃんは家族だもん。やだ。」
他人の碧斗くんに言われたくない。
指図なんてされたくない………
「面倒臭さ。」
トーンが低くなる碧斗くんの声。
「先輩、頑固。」
呆れとちょっとだけ笑いが混じった
碧斗くんの声が頭上で聞こえた。
