『美佳。安斎が呼んでたよー♪なんかしただろー(笑)』
笑いながら言ってくるクラスメートの詩織。
げげーッ!!呼び出し!?
最近はあたしなんにもしてないよーッ!!!!
てか…
安斎…?

『えー!!なんもしてねーのに!!てか安斎って誰?』

なにげなく聞いたあたしの一言に、クラスが凍りついた。

『え…。美佳まじで言ってんの!?!?あたしらの担任だよ!?』

『あぁーッ!!んーっと…どんなヤツ?』

『もう7月も終わりだよ!?!?夏休み始まるんだよ!?!?なんでわかんねーんだよ!!』

『だって担任なんか知らねーよ!!見たことないわ!!』

『有り得ない…』
詩織はしきりに自慢のふんわりパーマがかかった髪をいじりだす。

なんだって言うんだ。

安斎て誰だっつーの!!

『誰?』
あたしが聞いた直後、

ガラッ
ドアが開いて…



『おーっす。』

入って来たのは知らない男。
クラス間違えてね?
あんな生徒うちにいたっけ…

『あいつ誰?』

あたしが詩織に聞くと、詩織はため息をついて言った。

『あたしらの担任。4月からずーっと。数学の授業もやってる。なんで知らねーんだよ(笑)』

へー。あいつが安斎か。え!?!?

『生徒じゃないの!?』

『ちげーよっ!!』
ツッコミはえー…

ってことは…

『おめーが安斎かぁぁぁッ!!』
いきなりあたしに指をさされた安斎は怖じ気づくこともなく

『そーだけど?お前あとで数学準備室』

…あたしにサラッと居残り宣言をした。