「お前、遅くなかったじゃねーか」親父は寂しそうに呟く。 確かに親父の遺伝子を受け継いだ俺は遅くはなかったから中学のときも全中に出ているし、高校に入るときだって何校からか推薦が来た。 それでもやっぱり乗り越えられない親父がいて悔しくて陸上を辞めたんだ。 「でも上には親父がいる!」俺は悔しい思いを親父にぶつける。 「それがダメなんだよ」親父はだめなしをする。