「平野先輩。」


一人で玄関までたどり着いたとき、声をかけてきたのはさっき思い出した森本くん。


「森本くん、どうしたの?」


こんなところで会うなんて、珍しい。


「雨なんで帰ろうと思ったんですけど、傘なくて。」


そう言ってはにかむ姿がかわいい。