彼のち君、ときどき雨。




それだけで十分だ。


一志があの本を選んだのは、紛れもない事実だったのだから。


「注意されたときはびっくりしたよ。見てるだけで終わると思ってたから。」


ぎゅっと手に力がこめられる。


胸がきゅんとなった。