彼のち君、ときどき雨。




「一志…?」


「黙って聞いて。」


一志の言葉に私はこくりと頷いた。


「昼休みにサッカーをしてたとき、ふと校舎を見上げたら人がいたんだ。俺はそこが何の教室かも知らなかった。」


一志が前を向いたまま話す。