彼のち君、ときどき雨。




手をつないだまま、黙って隣を歩く。


今まで色褪せていた空間が嘘のように返ってくる。


「最初は…何してるのか気になっただけだったんだ。」


一志がぽつりと呟いた。


私はわけがわからず一志を見る。