彼のち君、ときどき雨。




「とりあえず、帰ろ。送るから…。」


そう言って久しぶりに差し出された手は、前と変わらずしっかりとした男の子の手で、私の手より大きくて、


私の手をぎゅっと握りしめていた。


「うん…。」


ひんやりと冷たい手だけど、心はすごく暖かかった。