彼のち君、ときどき雨。




「…一志と、何かあった?」


遠慮がちにそう聞かれてしまって、私は動揺した。


「やっぱり…。」


真瀬くんの手が私に伸びる。


「俺なら、そんな顔させないのに。」


真瀬くんの方に引き寄せられる。