「今の流れだとそうじゃないの?」
「私も不器用だから無理だよ!それに何の裁縫なの?」
「制服のボタン。」
もっと大変なものだと思っていた私は思わず笑ってしまった
「あはは!そんなの自分でやりなよー!」
「おい、笑うとこじゃないだろ!なんでも笑うなよ!」
そう言って高崎君は後を向いてしまった。
その行動がなんだかすごく可愛くて、また私は笑ってしまった
「だから笑うなよ!もう…」
「あれ?高崎君、顔赤くない?」
「赤くない!…えっとー、あ。そういえば田宮さんは何してるの?」
「委員会のレポートの資料を探してるの。」
「…それって俺の仕事だよね?」
「ん?でも委員会だから高崎君だけの仕事じゃな…」
「ちょっと待ってて!」
すると高崎君は5分もしないうちに戻ってきた。たくさんの本を抱えて。
「どうしたの高崎君!?」
「だって田宮さんにやらせたらダメだろ。今までだって全部田宮さんが仕事やってたようなもんだし」
「いいのに、そんなの。だって私がやりたいだけだし…」
「とにかく!これからは俺のこと頼ってくれよな!」
そう言われると、なぜか体が火照ってきた
「う、うん…。」
「と、いうわけでボタンよろしく☆」
「…へ?」
「まぁ、大切なのは『流れ』ってこと。じゃあ行こう」
「ちょっと、意味わから…うわっ」
高崎君は私の手を強引に掴んで図書室を出た。
…さりげなく手、繋いじゃってるし…!恥ずかしい!変な汗とかかいてないかな…?
「あ、ここでいいや。」
「ここ家庭科室だよ?普通、被服室とかなんじゃ…」
「いいだろ別に!だからっ、笑うなって!」
「だって面白いんだもん…ははっ!」
「そんなにい笑うならボタン付けてくれよな」
「…どうなってもいいなら付けてあげるけど」
横目で見ると高崎君が目を輝かせていた
「じゃあ頼む!」
