名前も知らない向こうのキミへ


「・・・・ごめん。またムキになっちゃった」


そう言って、微笑みかけた。


「…大丈夫だよ。」


「彼岸花、送れるかなぁ…」


いつもと違った表情で彼はそうつぶやいた。
どこか、悲しそうで、でもどこか幸せそうだった。


「まだ考えてくれてたんだ。」


「彼岸花で部屋をいっぱいにするって約束だったもんな!!」


「…うんっ」




涼介君の事も少し気が楽になった。
彼岸花の話は本当に心を癒される…


私にとって大切な花。