この人か…お母さんの好きな俺様さんってのは。

見た目はダンディで、大人な男性って感じだ。




お母さんの好きな人と目があってしまったから何も言わないで、
それじゃあさよなら!って帰るわけにもいかず、



「お母さんをよろしくお願いします」


なんていかにも、結婚する時に言うような言葉を言ってみた。




「勿論だ」



声もダンディって感じだ。



そして、時間になり…




「じゃあ、また」





2人は腕を絡めて去っていく。


お母さんは最後まで手を大きくふっていた。




永遠の別れ、って訳じゃないのにね。







きっとお母さんは娘と離れることより、好きな人と離れることの方が嫌だったんだ、お母さんは。


それだけ…。