ソフト・コア



  
 年上メタボで稼ぎのいい彼氏とバレンタインにそのバーに行った時の事。

  
 常連客のひとりの横沢くん(年下)が、私が出て来る夢を見たと言った。


 たしかに、なんとなく彼とは好意のオーラを感じていたから、


 別に驚かなかった。そして、私がおすすめしていた映画について質問があったから

 電話をしたとも言った。

 

 でも、私の単細胞な彼はキレて帰った。




 私が彼に電話番号を教えた事
 
 夜電話をしてもいいと思われている事

 それら全てに腹が立ったらしい。


 私は囚人ではない。


 なんて焼きもち焼きの心の狭い男なのだろう。


 それからしばらく、私は彼とはあまり口をきかず、より一層頻繁に
 
 ひとりで呑みにいくようになった。