「ちょっ! 健いきなりキスしないでよー」


健とのキスは、もう慣れた。


健は、超女遊び好きだから、挨拶でキスしちゃうの。
そう、あたしにも。


でも、健のキスは、甘く溶けちゃうぐらい優しいんだ。
少し、安心する。


このとき、あたしは気付かなかったんだ。



健の気持ちも、誰かが見てるかなんてことも。


歯車が、壊れだしたのはこのときから?
それとも、ずっとずっと前?


「香、またボーとしてる! またキスするよ?」


「いやだっー!」


あたしは、首を横に振りまくった。


健のキスは、安心するけど先輩のキスじゃないと!